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読了4冊/守り人シリーズ・上橋菜穂子

NHKで、アニメ化され、

綾瀬はるかさんを擁しドラマ化され、

 

すっかりメジャーになった<守り人シリーズ>だが、

私は1996年「精霊の守り人」初版から読んでいる。

それから2012年1月、「炎路を行く者 -守り人作品集-」に至るまで、

16年間に12冊、オンタイムで追いかけてきた。

日本のファンタジーノベルの最高峰の作品だと思う。

このシリーズの世界は、

この世(サグ)と異世界(ナユグ)重なって存在する世界…

その始まり「精霊の守り人」では、

清浄の極にある「帝」が統べる「新ヨゴ皇国」の第二皇子「チャグム」が、

穢れた何物かに憑りつかれたらしい。

父である「帝」が闇に葬ろうとするのを知って、

母「二の妃」は女用心棒「バルサ」にチャグムを託した。

結局、チャグムが宿した物は穢れたモノではなく、

この世の水を統べる、水の精霊の卵で、

帝の放った刺客や、卵を狙うナユグの怪物ラルンガから、

バルサとその仲間に守られながら、無事、卵を孵し、

国を干ばつの危機から救った。

こうして出逢ったバルサとチャグム。

2人の絆は特別なものとなった。

そして、バルサの過去も語られ…

と、確固に構築された世界の上に、

物語は、

新ヨゴ皇国とその周辺の国々を巻き込み、

そこに異世界(ナユグ)も重なりながら、続いて行く。

一度この上橋ワールドに迷い込んだ者は、

本さえ開けばいつでもそこに舞い戻れる。

ドラマでは、

宮中に帰還し、第一皇子の死で皇太子となり、成長したチャグムを主人公とした、

「虚空の旅人」「蒼路の旅人」と、

その後のバルサが、危機に瀕したチャグムを再び助け、

新ヨゴ皇国滅亡の危機を救う「天と地の守り人」?・?・?が、

編集され合体しているようなので、

改めて、原作を読んでみたくなり、

今後の展開に関わる4冊、読み始めたら…

もう読み止められず、久々のイッキ読み!

「虚空の旅人」

隣国サンガル王国の「新王即位ノ儀」に招かれたチャグムは、

着々とサンガルに魔手を伸ばすタルシュ帝国の画策する、

サンガル王国内の陰謀に巻き込まれるも、

共に招かれていたロタ国王「ヨーサム」、カンバル国王「ラダール」の

協力を得て、危地を脱し、また、

タルシュ帝国の陰謀を暴き、サンガルも救った。

「天と地の守り人」?・?・?

「蒼路の旅人」でタルシュ帝国の捕虜となるも、必死で逃亡し、

タルシュ帝国から、新ヨゴ皇国と周辺国を守ろうとするチャグムが描かれ、

ここでの、

その彼の行方を捜すバルサと、

困難の中、ロタ王国とカンバル王国との同盟締結に奔走するチャグムに

つながる。

一方、ナユグにも大きな変化が起きていた。

事実を秘匿し、捻じ曲げられた英雄譚が、

精霊の守り人」でチャグム皇子を生命の危機に直面させた。

そこを良く知るチャグム自身が、

自らは、己の穢れも弱さも醜さも明らかにし、

民と同じ人間であると、自らをさらけ出すのに、

結局、民が求めるのは、神々の恩寵を身に受けた、

救国の英雄の伝説であった、と知ったチャグムの想いが哀しい。

ただ、バルサとタンダには、

やっと平穏な日々が訪れたらしいのだけが救いである。

<上橋さんが創造した世界>

               「国 々」

           「登場する人々のごく一部)」

これだけの世界を創造し、

16年間に12冊、齟齬なく各国の歴史と、人々の“時”を描き、

その中で人々は、

笑い、泣き、愛し、憎み、暗躍し、裏切り、そして誠を尽くし…

こういう作品を書いている時、

作家は創造主に成りきっているのだろう…

と思っていたら、どうも違うらしい。

上橋さんは言う。

「私は彼らに書かされている。」と。